英語のスピーキング上達へ
英語のスピーキング上達への重要ポイント
英語の勉強をするきっかけには様々なものがあります。どんなきっかけであれ、「英語を話せるようになる」というのは共通の目標ではないでしょうか。
その一方で、日本の学校教育でリーディングに偏重していたこともあり、日本人にとって上達が最も難しいとされているのはスピーキングというのが現状です。
しかし実は、スピーキング力がなかなか伸びないのは、日本という環境が原因ではありません。「英語を話す」ために必要なものを学んでいないからです。
そこで今回は、「英語を読めるのに話せない」から脱却した実体験をもとにした本当に効果を体感できるスピーキングの勉強法のコツをご紹介します。
Part 1.英語のスピーキングに必要なものとは?
英語のリスニングを上達させたかったら、英語の「音」を聞き取り理解するために必要なものを学びますよね。
では、スピーキングを上達させるには何が必要なのでしょうか?
ここでは、英語を話すために必要なものを具体的に確認してみましょう。
(1)基本文法とボキャブラリーの知識
まず基本中の基本であり、絶対に欠かせない知識が文法とボキャブラリーです。
「英語を話すために文法を勉強しなくても大丈夫」と断言する教材もありますが、実際に英語を使って「読む」「聞く」「話す」「書く」、どれにおいても、基本ルールという意味での英語の文法は必要です。
そして英語を組み立てる要素となるボキャブラリー(単語)のバリエーションが広がれば広がるほど、英語で伝えられる情報量も増えていきます。
英語の文章の基本の型と自分に関連するボキャブラリーを身につけることが、スピーキングの上達に必要な最初のステップです。
(2)英語を英語で理解する回路
英語の勉強をしていると、理解を深めるために英語を日本語に訳す作業を無意識にしてしまっています。
リーディングなど相手がいない場合には、英語→日本語の流れをもっても支障はありませんが、スピーキングは相手とのコミュニケーションであり、テンポが必要ですよね。
ここで重要になるのが、英語から日本語に訳して理解するのではなく、英語を英語のまま理解する回路です。
「Would you like a cup of coffee?」と相手が言っているとき、「would you like」だから「いかがですか?」って質問されているんだな、と頭の中に日本語を動かしていると、単純に理解することに時間がかかってしまいます。
英語の単語やフレーズをイメージ化してそのまま理解することがスピーキングには必要になります。
(3)瞬発力
英語を英語で理解する回路に通ずるものとして、スピーキングに欠かせないのが「瞬発力」です。
スピーキングとは、「伝えたいことを英語にする」作業です。頭の中に浮かんだあなたの言葉を、その場で即座に英語に変換するスキルを身につけることが必要になります。
頭の中で英作文をするという感覚ではなく、英語の語順で必要な情報を口に出していく感覚を意識することで、スピーキングを勉強する時の姿勢を変えることができます。
Part 2.日本人がやりがちな「間違った」スピーキング勉強法
「英語を話せるようになりたい」という強い意志をもって取り組んだものの、全然効果が出ない、という声をよく耳にします。
この原因として、その勉強法がスピーキングの勉強法ではない、ということが考えられます。
ここでは、特に日本人がやりがちな間違ったスピーキングの勉強法を確認してみましょう。
(1)基礎知識なしで勢いでネイティヴスピーカーと話す機会をもつ
一番効果的にみえてタイミングを間違えると、英語コンプレックスをもってしまう可能性もある方法。それが、初心者がいきなりネイティヴスピーカーとのフリートークレッスンなどで英語を話す機会をもつというものです。
英語の基本文法やボキャブラリーが全くない状態では、いくら相手がネイティヴスピーカーであっても、あなたの英語力を上げることはできません。
「わからない」「話せない」というネガティヴな経験値が先行してしまい、間違えるのが怖くて英語が口から出てこなくなる、という人もいます。
ネイティヴスピーカーと話す機会は、ある程度基礎知識が身についてからの実践練習のステップで積極的に活用するようにしましょう。
(2)頭の中だけで話す
独学で英語学習をしている人に起きやすいことですが、スピーキング用教材などを使って練習する時に、実際に声に出さずに頭の中で話す方法は要注意です。
大好きなアーティストの曲を聞いていて、頭の中では自分の声で同じように歌えているのに、実際にカラオケでその曲を歌ってみると全然思っていたように歌えない、という経験はありませんか?
私たちの脳は、自分勝手な動きをすることが多く、脳内で起きていることと実際にできることとの間には差が生じるものです。
目の前の人に考えや思いを伝える作業であるスピーキングを勉強するときは、実際に自分の舌・唇・歯を使うことが不可欠です。想像上のスピーキングではなく、常に実践を意識しましょう。
(3)英語を聞き流す
英語教材も多種多様で、中には「聞くだけで英語がペラペラに」といった魅力的な宣伝をするものもあります。
もちろん、英語を聞き流すことで、英語に慣れることは大切なことです。ただ聞き流す「だけ」では、英語を話せるようにはなりません。
街中で英語が溢れている英語圏の国に1ヵ月語学留学したけど、英語がペラペラというには程遠いという人も多くいます。これは、日本から一緒に行った友達と語学学校のレッスン以外は日本語で会話していた、など実際の英語のアウトプット量が足りなかったことが原因です。
英語を聞き流してインプットして、その後どれだけアウトプットできるか。これがスピーキングを上達させるために重要なことです。